
ご縁があるからこそ結果につながります
Interview
松山工業株式会社は70年の歴史の中で、常に大切にしてきたのはご縁です。
お客様のお役に立つために出来ること・・・我々の使命を考えたら、お客様だけではなく、協力先の皆様や弊社と関係ある皆様とのご縁を
いかに育んでゆくかが大切だと気付きました。
様々なご縁があったからこそのつながり。そんな関係性があるからこそ、結果にもつながっています。
製品化のお手伝い編001
手元にあったのは現物だけ。
どこに相談すればいいかも分からなかったです
どうすればいいのか、良い方法が思い浮かばない。
仕事においてはそんなことが日常的に起こります。
日本デオドール株式会社の細川さんは、30年前から作り続けている
消臭器の部品供給元の再選定の際に、苦労した末に弊社にご相談
いただきました。
リプロダクションで大変だったのは、「実物しかないこと」。図面や仕様
書もなければ、金型がどこにあるか分からない。
長年信頼できる協力先に依頼して作り続けていたからこそ、そういう
企業が廃業してしまうと、想定していないことが発生します。
歴史がある会社であれば起こりうる問題。
松山工業は、そういったことお困りごとにも対応させていただきます。
今回の製品
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消臭器
カートリッジ受け
お手伝いさせていただいた内容
① 3Dスキャニングで採寸
② 試作(3Dプリンティング)
③ 量産(プロセスに勘合性確認含む)


代表取締役社長 柿本元大さん
開発担当 細川純一さん
創業者が聞いた何気ない会話が「においソリューション」につながった
インタビュアー:
今日はお忙しいところ機会を作っていただきありがとうございます。
早速ですが、まずは御社のことを簡単にお話しいただけますでしょうか?
柿本社長:
弊社は今年で35周年を迎えた消臭・脱臭の専門会社です。
悪臭と環境改善の2つのソリューションを提供していて、自社の臭気判定士による測定や調査も
可能なのが特徴の一つです。また、「森の空気」という、植物精油を気化発散させる独自技術を
使った消臭器は、においでお困りの多くの方々にご好評いただいています。
現在は厨房や工場、ごみ処理場などの悪臭対策と、医療施設(病院・福祉介護施設など)や公共
施設(ホール、ビルのロビー)、店舗などの環境改善を軸にしています。

インタビュアー:
そもそも、こういった仕事をするきっかけになったのは何だったのでしょうか?
柿本社長:
創業者である先代が、商社勤務時代にさかのぼります。
米国企業のエンジニアと一緒にタクシー向かった大手町のホテルの前で、マンホールから鼻を突くようなニオイを感じたそうです。
エンジニアの方々が「開発途上国よりも酷いニオイだな」と口早に英語で話していたことにショックを受けました。
と同時に、先進国の仲間入りをしたかのような日本が、まだまだあらゆる面で実力が追い付いていないと痛切に感じたとのことです。
そして、そのことが「ニオイを消す仕事をしよう」との想いにつながり今があります。
代表取締役社長 柿本元大さん
なによりも安全性を最優先するからこそ
インタビュアー:
さて、今回は消臭器のカートリッジ受けという部品でご相談いただいたのですが、そもそもご相談
いただいた背景はどのような状況だったんでしょうか?
細川さん:
今回ご相談させていただいた消臭器は30年前から作っていたものです。
昨年、部品を製造していた会社が廃業してしまい、代わりに供給してくれる会社を探すことになり
ました。ただ、手元にあったのは現物だけで、図面や仕様書、そして大切な金型の所在も分から
ない状況になっていました。
そのような状況なので、どこに相談して良いかが分からず、結果的にあらゆる面で相談に乗って
くれそうな松山工業さんにお願いしてみようということになりました。

開発担当 細川純一さん
インタビュアー:
量産までいけると思いました?
細川さん:
正直、寸法面で厳しいと思いました(笑)
実物を3Dスキャニングして、3Dプリンティングしていただいた試作品を見て、その時点で多少不安は消えましたね。
ただ、量産型を作って初期ロットが出来上がったという段階で、実はコンマ数ミリ勘合性の面で厳しかったんです。
驚いたのは、そのことを伝えたら頼んでいないのに金型を修正してくれて、勘合性がバッチリになって製品の完成度が高まりました。
あれは本当に驚きましたね。
インタビュアー:
何事も問題ない状況にするのが我々の仕事なんで。
ところで、細川さんは機器の開発担当をされている訳ですが、大切にしていることは何かありますか?
細川さん:
なによりも安全性です。
お客さまが安心して使える機器を開発するのが、私の使命だと思っています。
だからこそ、一緒に製品づくりをしていただけるところを見つけるのも大切な要素だと考えています。
柿本社長:
今回、相談するに当たっては単に製品が作れるだけでなく、全ての面においてフォローしてくれるかどうかがポイントでもありました。
そういった点、松山工業はあらゆる面から提案をしてくれたのが良かったと思っています。
時代と共に変化するキーワード
インタビュアー:
失礼ながら消臭や脱臭のソリューションと聞いてパッと浮かばないんですが、実際にはどんなことをされているんでしょうか?
柿本社長:
もともとは悪臭などの消臭や脱臭対策を、主に工場など大手企業を中心になど展開していました。
現在は時代の変化に合わせ飲食店や事務所、また個人向けに「においのソリューション」を提供しています。
インタビュアー:
時代の変化にというキーワードは、弊社の取り組みにも通じるところがあります。どんな点を大切にしているんでしょうか?
柿本社長:
お客様の要望は、世の中の変化によって変わります。例えば、経済状況が良くない時には、心の余裕が生まれないためか、においの
相談自体が減ってしまいます。ただ今は経済状況を問わず、働く環境そのものに対する投資が増加傾向にあるので、自社の環境問題として「香りの問題」にフォーカスが当たっています。
インタビュアー:
働く環境に対する投資。弊社も気になるところですが・・・
柿本社長:
今、「臭いだけでなく、香りも出来ますか?」と言われることが多いんです。
事務所の玄関など、お客様の来社や採用の際、香りの部分がポイントになると考えている経営者も多いようです。
そういったソリューションを提供するには、お客様のトレンドの変化を捉えることが重要だと考えています。
トレンドはメディアで文字になった時は、既に変わっていることが多い。なので変化を事前に感じ、先手を打つ。そのための「生の情報」がどこにあるかを感じるため、人々が集まる場所へと出向くようにしています。
実際に何が望まれているかは、今後IOT化が進んだとしても、会って聞かないと分からないですね。弊社もその点を大切にしています。
インタビュアー:
目のつけどころをもっと身近に・・・
インタビュアー:
御社の今後の展開はどうお考えですか?
柿本社長:
なによりも発想の転換が大切だと思っています。当たり前じゃないところにポイントがある。
最近気づいたのは足元にあるテーマが意外にも多く、しかも身近だからこそ気付いていないと
いうこと。目のつけどころが違う人に会うことが大切だと実感しています。
今、お二人には弊社のMatsuyama Creator's Communityのメンバーとして、様々なイベントにも
ご参加いただいています。こういった取り組みはどのように考えていますか?
インタビュアー:
昨年、国際ロボット展に一緒に出展させてもらい、ロボットの分野はこれから癒しや脱臭などが
テーマになると直感しました。ロボットの癒し効果を考えると、香りのソリューションは認知症の
改善など様々なケースに影響を与えるのではないかと考えています。
柿本社長:

インターンシップ生の他社体験で来社
された際の1枚。
細川さん:
私はDMM.make AKIBAを紹介して貰えたことが大きいです。
マイコンが搭載されていない自社製品にどんな可能性があるかを聞いてみたところ、安価なものでも想像以上に機能が付加できると
いうことが分かって、時代の深化を肌で感じました。富士通さんのイベントなども、これまでと全く方向性が異なる知見が得られたので
ありがたかったです。
いま、機器開発において二つの側面を感じています。
ひとつは、新たな知見を活用した時代の流れに合った「これからの製品」の開発。
新たな開発してゆく上で、新たなトレンドを知るための機会を創出していかないといけない感じています。
もう一つは、「これまでの製品」の開発意図の振り返り。
今回のように、30年以上前から続いている製品だと、素材選定のポイントがほとんど分かりません。経緯を知る人もいません。
なので、まずは素材の性質や色など、ひとつひとつの要素を紐解いて、お客様に安心して利用して貰いたいと考えています。
今、お客様訪問時に同行して様々な意見をお聞きしていますが、新たな製品を開発する際の基軸として、安全性は無論のこと、お客様と弊社のどちらでもメンテナンスがしやすい製品を開発したいと思っています。
インタビュアー:
最後にお聞きしたかったこと、細川さんにすべて語っていただきました(笑)
本日はお忙しい中、インタビューの時間を設けていただきありがとうございました。
【企業情報】

消臭・脱臭の専門会社として30年活躍し続けている会社。
悪臭対策と環境改善を軸に測定やソリューションの提案を行なっています。「森の空気」という独自の消臭技術(植物精油を気化発散させる仕組み)により、家庭用消臭器、森林浴消臭器、中和消臭器等さわやかな環境を提供している。


代 表 者 : 代表取締役 柿本元大
設 立: 1983年4月
事業内容:
① 悪臭対策(工場・厨房排気、ごみ処理場、除外設備排気など)
② 環境改善(病院等医療施設、ホール等公共施設、ホテル、工場
などの臭気改善)
③ オフィスや家庭のタバコ、生ごみ、ペットなどの臭気改善
・消臭・脱臭装置などの販売
・自社の臭気測判定士による臭気測定やソリューションの提案
機器メンテナンス
・その他